チェンソー修理(ハスク262xpエンジン焼付きから復活!)2004年12月16日
チェンソープロショップ流庵
不具合・症状:エンジンがかからない。
原因     :エンジン焼き付きによる圧縮漏れ。
修理方法  :シリンダー、ピストンの研磨。
備考     :
関連情報  :このページにはパイオニアさんからの情報掲載してます。(緑文字)ありがとうございました。
注意     このぺージを参考にしてチェンソーに不具合が起こっても当方は一切責任負いません。 


キャブ、マフラー、ハンドルを外しシリンダーを止めている六角ボルトを外します。
ボルトはかなり堅くしまっていて外すには写真のようなT型のレンチを使いました。

このような有様でした。
排気側、フライホイール側の1/4周くらいに傷がはいってました。
ピストンリングも癒着してました。
見た瞬間、復活は無理かと思いました(涙
ついにやってしまいました。
262xpエンジンを焼き付かせてしまった(涙

どのような状態で焼き付いたかと言うと。
カービングの仕上げで下部の木の皮をブラッシングで削り取っていました。
俗に言う”高回転無負荷”のチェンソーにとっては最も過酷な状況。
大会に向けて時間短縮も目論でいたのでついつい回しすぎてしまったようです。
自分ではそんなに無理に回し続けたつもりはなかったんですが。

何度かストンとエンジンストップするので「なんかおかしいな」とは思いつつ再始動はするのでまた使っていました。
このとき既にオーバーヒートだったのでしょう。
最後は同じようにエンスト(3度目)して掛けようとするとスターターロープが引けない。
おそらくシリンダーとピストンが熱でくっつく”かじりつき”という状態だったと思います。
シリンダーフィンからはモウモウと煙が出てこのときやっと「焼け付かせてしまった!」と思いました。

少し放置してスターター引っ張ってみると引けましたが明らかに圧縮は低くなっていました。
帰ってからマフラー外してピストンを覗くと惨い傷が縦に入ってました。
過回転による焼き付きと言うことです。

吸気側が焼き付く原因はほとんどが燃料です。
混合が薄かったか混合オイルが悪かったかだと思います。
混合が薄いというのはしっかりと混合しても保管中にオイルが沈んで
上の方の薄い部分を使用してしまうという場合があります。
オイルによっては沈んでしまうものがあるからです。

ちなみに過回転や過負荷等の加熱による場合はマフラー側が焼き付きます。
ハスクは高速回転タイプですので長時間高速で使用した後は
少しスロー運転で冷やすと良いです。

ピストンからうまくリングをはずしピストンの研磨です。
表面が大体滑らかになるまで400番くらいのサンドペーパーでひたすら磨きます。
ピストンリングの入る溝もリングがスッと入るようになるまで磨きます。
もちろんピストンリングも磨いてください。
シリンダーはもう少し荒めのサンドペーパーで表面が滑らかになるまでやってください。(表面にオイルが載る溝を付けることが目的。円周方向ではなく、斜めにX傷が入る感じ。)

ここでの注意はあまり研磨するとピストンとシリンダーの隙間が大きくなってしまってエンジンの不調原因になってしまいます。
オイルを付けながらやると過度の研磨等の失敗が少ないです。

シリンダー内部にも傷がありましたが、ピストンほどではありませんでした。

ピストンを外します。
ピルトンピン両側にリターナーリングで留めてありますので、それを外して横から押すとピストンピンが抜けます。

ピストンリングのはずし方は簡単です。リングの隙間をこじるようにして広げてピストンから取り出せばOKです。

ピストンとシリンダーそれぞれパイオニアさんのアドバイス通り磨いて元に戻します。
まだ傷は残ってますが、ピカピカに(鏡面加工?)した日には、あっという間に焼き付くそうなのでこの程度で様子見ます。(ピカピカにするとオイルがのらない)
ピストンには前後向きがあるので注意します。

組み上げるとかなり圧縮は回復してました。
祈りながら(笑)エンジン掛けて見ると掛かりました!やった!!

その後、金属表面処理効果があるという2スト添加剤をいれたりしながらしばらく慣らし運転したところ何故か焼き付き以前より始動性もパワーも回復しました。
焼き付いたマシンはパワーも落ちるだろうと思っていましたがそうでもないようです。

皆さんも焼き付かせたら即交換とあきらめずにトライしてみてください。
その前に焼き付かせない事が重要ですが(汗

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