ソーチェンとバーについて -Q&A編-2003年12月16日-
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ソーチェンやバーについて僕が疑問に思う点をログワークの経験豊富な大ちゃんに聞いてみました。
皆さんも参考にして下さい。

Q1:0.325と3/8とチェンピッチが違うと感触や仕上がりにどのような差があるか印象等教えてください。

A1:
<排気量が小さい、コンシューマユースのチェンソー>
ホームセンタで販売されているチェンソーの大半が3/8ピッチになっていますが、理由は以下のものと思われます。
@小排気量の非力なエンジンでは刃数を多くできない(切削の負荷がかかる)

A刃と刃の間に”背びれ”のような突起を設けることができ、デプスを浅く保てる(切削に力が要らない&キックバック対策)
刃と刃の間の背びれのせいで、バーの先端が材料に触れた際にも、ある意味”滑ってしまって切り込まない=キックバックが起こらない”構造になっています。

ピッチが大きいために、バー先端(Rがきつい)においての回転はスムーズではなく、切り味もザラザラとした(サクサクっと切れるのではなく、なんか濁った感じ)になります。
乾燥した材を切る際には、特にバー先端で切り込むような場合には”先端が跳ねる”感じがあり、なかなか切り込めません。

<排気量がある程度大きいマシン+3/8ピッチチェン>
50cc以上の大きなチェンソーで3/8ピッチの場合、一般的にはバーの先端のRも大きくなっていますし、エンジンパワーも当然ありますので一味違った楽しみもあります。

デプスもある程度深くして、パワーに任せてチェンを駆動することで、ザクザクと一気に切れます
栗田師匠が言っていた木屑の排出はこの組み合わせ(中〜大型チェンソー&3/8ピッチ)の場合です。

ちなみに私めは、62ccのマシンはノッチカットやグルーブカットでも使うために.325ピッチにしています。しかし、チェンの強度は欲しいので、ゲージは1.6mm(もしかしたら1.5mmだったかも?←曖昧)の厚めの物を使っています。

72ccマシンには3/8ピッチのチェンに硬いバー(STIHLのDUROMAT IC)をつけています。
たしかに豪快に切れますが、繊細な作業には向きませんし、切断跡も多少荒いものになります。
余談ですが、シダーシェイクを自作する際には良い味がでますよ。

Q2: バーの長さや形式(ハードノーズorスプロケット)の違いで、どれほど作業性が違うのかでしょうか?

A2: バーの違いによる切れ味の差という意味では、私は254に16インチのスプロケット入りバーと15インチのハードノーズバーをつけて、2台を取り替えながら使っているので、その差についてコメントします。

<15インチハードノーズ>
使ってすぐに”非常に硬いバーで遊びが少ない”ことが判ります。たとえばホゾのオス側加工や突っ込み切りなどの際、狙ったラインに一発で、スッと刃が入ります。
直線を加工するには非常に精度も高くお勧めです。

しかし、曲線を切るには少々厄介で、先端部分の遊びがなく、加えてバーのしなりがないため、思ったように曲がりません。チェンソーをひねった際に、この力がバーに溜まっている感じがないんです。

例えばスカーフやノッチをカットするには、ちょっとコツがいります(スプロケット入りのバーよりも多少幅が広いせいもあるとは思います)。
しなりがないのはバー構造によるところが非常に大きく、一枚の鋼を加工して作ったタイプはこの傾向が強く現れます。

<16インチスプロケット入り>
ハスクの標準バーです。先端にはスプロケット、バーの構造も3枚の板を電気溶接してつくられており、真ん中の板に穴を設けることで軽量化を実現してい
ます。
もちろん強度的には上記のバーに劣り、良くも悪くも”しなる”バーです。

ピンポイントでカッティングラインを狙いたい、あるいは突っ込み切りをしたい場合など、スプロケットに遊びがありバーが長くてしなる分、先端が踊ってしまい狙いが定めにくいです。
ある程度の退避策としては、切り込む前にソーチェンのスピードを充分に高め(アクセルを開けて)、切削能力が高い状態でカットに入ります。

先端部分のソーチェンの動きがハードノーズに比較してスムーズなため、チェン寿命は延び、エンジン出力もより有効に”カット”に費やされることになるかと思います。
しかし、ハスクもスチルも、重作業向けにこのタイプのバーがないということは、構造上、あまり激しい使い方には向かないのでしょう。

バーがしなるため、スカーフやシェルの開口部の加工、エンドカットなどには非常に好都合です。
思った曲線を綺麗に描いて曲がります(もちろん限界はありますよ・・・)。
バーが長いため、ハーフログやシルログのカットにはこちらを多用しています。

大ちゃんありがとうございました。またわからないこと教えてください。

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